沖縄の怖い話  琉球怪談物語集

「沖縄の怖い話  琉球怪談物語集」、早速読んでみました。

自分の知っている地名が出てくるだけでなんだか興奮してしまいますね!名護とか今帰仁とか、恩納村とか、浦添とか那覇とか、その土地を思い浮かべながら読むとより楽しめます。

それに沖縄の方言が容赦なく出てくるので「あぁ~沖縄の物語なんだなぁ」って浸れる。
イチジャマは生霊、ジュリは遊女、フラーは馬鹿など、聞いたこともない言葉がいっぱい出てきますが、前後の文章でさりげなく説明してくれるので読みやすいです。

また、沖縄という土地柄、アメリカ人のことがよく出てきます。
沖縄の人はアメリカ人のことをアメリカにerを付けてアメリカー、もしくはヒージャーミーと呼ぶのだそう。

語尾を伸ばすのが好きな沖縄の人がアメリカーと呼ぶのは理解できるけどヒージャーミーって一体どうやってついた名前なの?と思ったら羊の眼のことを指すんですって。

ん?羊の眼ってどんなんだっけ?と調べてみたらなるほど。羊も青くて綺麗な眼をしていました。

山羊汁をヒージャー汁と呼ぶけど、山羊と羊の区別は特につけないものなのかな?

全体的に、オカルト映画のような派手な怖さはありません。
日常の隣に潜む怖さにスポットが当てられているというか、観光するだけでは絶対に触れることのできない、ちょっとゾクッとする沖縄の風習や習慣を知ることが出来ます。

人を脅かすだけの派手なものより、こういった日常の延長線上にある不気味さの方が現実味に富んでおり、読んでいて非常に有意義に感じました。

ただ残念なのは、誤字脱字が見過ごせないレベルで多いこと。
これは著者である小原猛さんというよりは編集の方のミスと言っていいのでしょうか?
会話をしている人物の名前ミスが多くあり、自分の物語の解釈ミスなのかと混乱したりせっかく盛り上がっていた気分が萎えたりとあまり良い気分ではありませんでしたね…。

ですが中身は沖縄独自な世界観の怪談話です。
旅行だけではわからない、沖縄の裏の顔を覗いてみたい人にはとてもお勧めです。

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