台湾のきほん

青木由香さんの、台湾のきほん。挿絵とか色遣い、本のデザインがとっても可愛い、手元に置いておきたい本です。(台湾の種々雑多な感じを表現しているのでしょう、非常に目がチカチカするページもあります。)

旅するうえで必要な情報しかまとめていないそのへんのガイドブックとは違い、現地に住んでいないと絶対にわからないネタばかり!着飾られていない、生の台湾を知ることができます。

「どうでもいいような日常のちょっとしたことにこそ、国民性って色濃く反映されるものなんだなぁ。」ってふふふと笑いながら読んでいるとあっという間です。

交通網が発達していて近代的な台湾。だけど新幹線の券売機ではおつりが全部コインで出てきちゃうエピソードなんか、台湾のゆるさが表れていてクスっときちゃいます。

他にも、「台湾のきほん」でしか読めないエピソードがいっぱいあって、お気に入りになりました。

例えば、日本に出張してきた台湾の職人さんたちの話。

忙しい建設現場のつかの間のごはんタイムに日本人サイドがお弁当を用意しました。しかし、’’イカツイ顔した職人さんたちが「冷たいごはんは喉を通らない」と小ウサギのようなことを言う。’’
このままじゃあ「みんなが死んじゃう!」と言って結局台湾の社長が職人さん100人を連れ出し、温かいごはんを食べさせたのだそうです。

段々台湾人が可愛く見えてきませんか?

駅弁文化があるのは世界的に見ても、日本と台湾だけなのだそうです。だけど、‘’台湾の駅弁は温かいのを売るために駅の近くにキッチンを設け、温かいうちに売り切れる量だけ運んでいる’’んですって。

おお~、冷たい駅弁がスタンダードな日本とは全然違う!同じように見えても台湾と日本はやっぱり違うんだなぁ。

「台湾のきほん」に記述される内容が役に立つのかといったらそれは台湾に移住する予定の人にしか役立たないかもしれません。

だけど日本に一番心が近い国の、一見奇抜に見える行動や考え方にはこういう思考が働いていたのか~と台湾人の根っこの部分が見えた思いがして嬉しくなります。

おおらかで、奔放で、適当で、よく働く台湾人。「台湾のきほん」を読んでもっと彼らのことが気になりだしました。

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